【東慶寺】北鎌倉の駆け込み寺と参道にある喫茶店を訪ねました

寺・神社

基本事項

山号:松岡山(しょうこうざん)
宗派:臨済宗円覚寺派
本尊:釈迦如来
開山:覚山志道尼
開基:北条貞時

なりたち

弘安七年(1284)に八代執権・北条時宗がなくなる間際に夫婦で出家をしました。時宗の夫人は覚山尼となり、翌年の公安八年(1285)に子の定時を開基として東慶寺を開きました。

既婚女性が入寺して満二年たつと離婚が成立する「縁切寺法」はこの時すでに定められていたとされています。

また、五世用堂尼(後醍醐天皇の皇女)が入寺したことでさらに寺格が高くなり、「松ヶ岡御所」と称されるようになります。

さらには二十世天秀尼(豊臣秀頼の娘)が住持となったことにより、幕府の権威を後ろ盾に同法の効力は増大します。

しかし、江戸時代中期の二十二世の住持を最後に無住となります。

明治になり女性の離婚請求権が正式に認められると、縁切寺としての役目も終わりを迎えることとなり、明治三十五年(1902)に尼寺の歴史も幕を閉じました。

縁切寺とは

かつて日本の封建社会では女性の地位が低く、男性から妻を一方的に離縁することができるのに対し、女性からの離婚の申し立ては許されていませんでした。このような状況を憂いた東慶寺の開山・覚山尼が縁切寺法を作り、子の北条貞時に勅許を得るように促したと伝えられています。これにより東慶寺は縁切り寺または駆け込み寺として広く知られるようになりました。

縁切寺として東慶寺と並び、上州(群馬県)の満徳寺にもこの特権が認められていました。しかし、江戸時代まではどこの尼寺でもこのような機能を果たしていたようです。

中世における庶民の女性の地位については諸説ありますが、東慶寺が多くの女性たちを救済してきたことは間違いないでしょう。

山門

緑に囲まれた小ぶりの山門です。

みどころ

四季の花に囲まれた美しい境内ですが、残念ながら写真撮影は禁止となっています。

本堂(泰平殿)

堂内の中央には本尊の釈迦如来坐像が祀られています。像の高さは91センチで鎌倉時代に作られたました。その右側に開山の覚山尼と五世用堂尼の像、左側に二十世天秀尼の像が安置されています。

現在の泰平殿は昭和十年(1935)に再建されたもので、江戸時代に建てられたもとの本殿は横浜の三渓園に移築されています。

水月堂と水月観音坐像

本堂の左側に建つ水月堂は昭和三十四年(1959)に加賀前田家の持仏堂を移築したものです。

安置されている水月観音は鎌倉時代の作とされています。水面に映る月を眺める姿が名前の由来で、こうした姿の観音像は宋から元にかけて中国で流行しました。

水月観音像は毎月18日の9:00~16:00のみ拝観可能です。

松岡宝蔵

白壁の大きな建物が松岡宝蔵になります。こちらに安置されている聖観音菩薩立像はもともと尼五山一位の太平寺に本尊として祀られていました。しかし大平寺は里見氏の鎌倉攻めで廃寺となり、本尊も安房国に持ち去られましたが、東慶寺の要山尼により取り戻されました。

松岡宝蔵は売店も併設しており、関連書籍なども販売しています。

墓苑

奥には墓苑があり、東慶寺を支えた歴代の住持たちの墓や多くの文化人の墓が並んでいます。美しい景観を眺めながら、歴代住持のお墓参りをすることができます。

喫茶吉野

東慶寺の散策が終わったら、以前から行ってみたかった喫茶店でひとやすみ。

参道の階段下に案内版があるので、わかりやすいと思います。

案内版に従って左に入ってすぐのところに喫茶吉野があります。

レトロな雰囲気がいい感じの店内です。この日は休日だったので席は8割がた埋まっていました。

▼こちらはコーヒーとケーキのセットは1,100円(2023年11月現在)でした。ケーキはフルーツケーキ、パウンドケーキ、クッキーセットから選べました。紅茶とケーキのセットは1,200円だったかな?うろ覚えですみません。

お昼時にお邪魔しましたが、お食事メニューなどはないようでした。

おいしいコーヒーとフルーツケーキをいただきながら、ゆっくりと過ごすことがでしました。

北鎌倉に来たときはまた寄りたい喫茶店です。ごちそうさまでした。

東慶寺Data

住所鎌倉市山ノ内1367
行き方JR横須賀線 北鎌倉駅 徒歩4分
拝観時間9:00~16:00
水月観音 毎月18日 9:00~16:00
拝観料なし
公式サイトhttps://tokeiji.com/

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