鏑木清方美術館から徒歩1分ほど、山を背にした場所に川喜多映画記念館があります。
周囲の緑と調和した黒の板塀が印象的な、この記念館は川喜多長政・かしこ夫妻の旧宅跡に建てられ、2010年に開館しました。
敷地の中には、川喜多夫妻が海外の映画監督や俳優を招いてもてなした古民家(旧川喜多別邸)も残っています。
かしこ氏(1908~1993)は結婚後、長政氏とともに映画の輸入に携わりました。各国の映画祭で審査員を務めるなど、映画による国際交流に貢献しました。
展示について
館内は企画展を行う展示室と映画を上映する映像資料室、映画に関する書籍を閲覧できる情報資料室などがあります。
私が訪れた日(2023/06/01)は「BOWシリーズの全貌ー没後30 年川喜多和子が愛した映画」という企画展がやっていました。
和子氏は多数の海外映画の配給を手掛けるとともに、国内の映画監督の作品を海外へ普及する活動にも努めました。
この企画展では、和子氏がかかわった映画のポスターや交流のあった映画スターと撮った写真などが展示されていました。その当時、話題となった海外映画のポスターで和子氏の足跡をたどることができます。
若かりし頃のアランドロンと一緒の写真や、映画評論家の淀川長春さん・おすぎさんを自宅に招いた時の写真など、プライベートな姿が写された貴重なものを見ることができます。また、私が三十数年前に見た映画のポスターを発見し、当時のことをなつかしく思い出しました。
旧川喜多別邸
記念館の入口の横に旧川喜多別邸を眺めることができる遊歩道が設けられていますが、一般公開日以外には立ち入ることはで来ません。
一般公開日に訪問
旧川喜多別邸の一般公開日(2023/10/7)に訪問しました。
2023年、秋の一般公開日(無料)は10月7日(土)~8日(日)、特別公開日(要入館料)は11月8日(水)~12日(日)です。
下写真の右側の建物が母屋を改修した記念館で、左側の高台に建っているのが旧川喜多別邸です。
この建物は、もともとは大山の麓にあった江戸時代後期の農家だったそうです。
関東大震災で倒壊してしまった建物を、哲学者の和辻哲郎氏が東京都練馬区に移し住居として使用していました。その後、昭和36年に川喜多夫妻がこの地に移築し別邸としたそうです。
最近はよくSDGsといわれますが、古いものを大切に使う姿勢は今の時代こそ見習いたいと思います。
別邸に続く小道を登っていきます。
縁側にはこの場所を訪れた映画監督、俳優さんや川喜多夫妻のくつろぐ姿などの写真が展示されていました。
今回は土間からの見学のみということですが、11月の特別公開日には室内に上がることができるそうです。
ということで、11月にまた再訪したいと思います。
居間にはテーブルと椅子が置かれていました。海外の人もくつろげるように配慮がされていますね。
室内には囲炉裏もありました。囲炉裏があるのは北国や雪の多い地方だと思っていたのですが、そうでもないのかな。
多分、台所はこの場所に移築されたときに作られたものだと思いますが、11月の公開日にボランティアさんに確認してみたいと思います。
古いガス台や冷蔵庫も残されていました。
裏庭に置かれた仏像。
敷地が広ーい!
鎌倉市川喜多映画記念館Data
住所 | 鎌倉市雪ノ下2-2-12 |
行き方 | JR鎌倉駅・江ノ電鎌倉駅東口より徒歩8分 |
開館時間 | 9:00~17:00(入館は16:30まで) |
休館日 | 毎週月曜日(祝日の場合は翌平日) 年末年始 展示替期間 など |
展示観覧料 | 一般 通常展 200円 特別展 400円 小・中学生 通常展 100円 特別展 200円 |
映画鑑賞料 | 通常上映 1000円 特別上映 1600円 |
公式HP | https://kamakura-kawakita.org/ |