毎年、アジサイに咲く時期には明月院はとても混雑します。

でも、今年(2023年)はすこし混雑が和らいだ印象です。
例年は拝観口を入って山門までまっすぐ続く石段は参拝者であふれてかえっているのですが、今年は拝観口を入ったあとに左側を回って本堂へ進む道順に変更されていていました。
左側に進むルートは道が枝分かれしているので、人の流れが分散して混雑もすこし和らいだ印象です。
山門からまっすぐに続く石段は、拝観後の帰りに通るようになっていました。
帰り道だからなのか、石段で立ち止まっている人は少数だったのでスムーズに通行できましたよ。
なりたち
山号:福源山(ふくげんざん)
宗派:臨済宗建長寺派
本尊:聖観世音菩薩
中興開山:密室守巌(みっしつしゅごん)
中興開基:上杉憲方(うえすぎのりかた)
平時元年(1159)に起こった平治の乱で藤原北家の流れをくむ首藤俊道(すどうとしみち)がせんしすると、子の経俊(つねとし)が父の菩提を弔うために永暦元年(1160)に明月庵を建立。これが明月院の起源となる。
建長八年(1256)、鎌倉幕府五代執権・北条時頼がこの地に最明寺(さいみょうじ)を建立したが、時頼の死後に廃寺となる。
文永五年(1268)時頼の子・時宗が再興し、蘭渓道隆(らんけいどうりゅう)を開山として禅興寺(ぜんこうじ)を建立。
禅興寺はその後衰退するものの、康暦二年(1380)に二代鎌倉公方・足利氏満(あしかがうじみつ)が菅領・上杉憲方(うえすぎのりかた)に中興を命じ、寺域が拡大した。明月庵は明月院とあらためられ、支院の首位となる。
しかし、その後支院は減少してゆき、明治初年に禅興寺は廃絶。明月院のみが残り、今日に至る。
山門と石段はこんな感じでした
例年、人でごった返してる石段がこんな感じで正直びっくりしました。
参拝者はたくさんいたのですが、帰り道のせいか振り向いて写真を撮る人は少ないようです。


方丈・悟りの窓・前庭

上の写真で方丈の右側で写真を撮っている人がいますが、ここから見えるのが悟りの窓です。
こちらの写真を撮るのも、行列ができていました。

方丈の向かいにある枯山水庭園。
奥にある一番背の高い石は仏教の世界観において、世界の中心にそびえる須弥山(しゅみせん)を表しているそうです。

宗猷堂(そうゆうどう)
堂内には中興開山の密室守厳(みっしつしゅごん)禅師の木造が安置されています。

明月院やぐら/羅漢洞
間口7メートル、奥行き5メートル、高さ3メートルで鎌倉の中でも特に大きなやぐらです。
風化がはげしいということで、近寄って見ることはできませんが、中央には釈迦如来と多宝如来とみられる仏像があり、その周りの壁面に十六羅漢像が並んでいます。
手前の宝篋印塔(ほうきょういんとう)は上杉憲方の墓として祀られています。

瓶(つるべ)ノ井
鎌倉十井(かまくらじっせい)のひとつ。蓋がされていますが、今でも使用可能なようです。

明月院のマスコット
明月院で飼われているウサギです。白ウサギと手前には(ケージに隠れてますが)黒ウサギもいます!
なぜウサギがいるかというと、悟りの窓を月に見立てていて、ツキを呼ぶ動物ということでウサギが飼われているそうです。月にウサギは付きもの、ということですかね。


花の見頃情報
明月院はアジサイだけでなく、季節ごとにいろいろな花が楽しめる花の寺です。
1月~2月ごろ | スイセン |
3月ごろ | ハクモクレン |
3月~4月ごろ | モモ |
3月末~4月ごろ | ツバキ |
4月ごろ | シダレザクラ |
6月上旬ごろ | ハナショウブ |
ハナショウブの開花時期(6月上旬ごろ)と紅葉の時期12月(上旬ごろ)は本堂の裏庭が限定公開されます(有料)。
明月院Data
※拝観時間、拝観料などは変更されることがありますので、お寺にご確認ください。万が一間違っていても責任は負いかねます。
住所 | 鎌倉市山ノ内189 |
電話番号 | 0467-24-3437 |
行き方 | JR北鎌倉駅から徒歩10分 |
拝観時間 | 9:00~16:00(6月以外) 8:30~17:00(6月) |
拝観料 | 大人 500円 小中学生 300円 本堂後庭園 500円(公開期間のみ別途) |