11月3日~5日に円覚寺の舎利殿特別公開と建長寺の宝物風入れが行われました。
この期間中は普段は入ることができない円覚寺の舎利殿の拝観と、建長寺の寺宝の一部が公開されるので、多くの参拝者が北鎌倉に訪れます。
今年の文化の日は例年になく暖かく(むしろ暑い?!)晴天に恵まれて、足取りも軽く宝物風入れ巡りをしてきました。
円覚寺の【国宝】舎利殿の特別公開(年3回)
◎正月三が日(1月1日~1月3日)
◎ゴールデンウィーク中の3日間
◎文化の日(11月3日)前後の3日間
2023年度の建長寺・宝物風入展で公開された寺宝(一部抜粋)
◎【国宝】蘭渓道隆画像
◎【国宝】大覚禅師墨蹟「法語規則」
◎【国重文】北条時頼坐像
◎山門楼上の五百羅漢像
その他、鎌倉時代から江戸時代にかけての書画や仏像など
円覚寺
洪鐘(おおかね)のレプリカ
去る10月29日は60年に一度行われるという洪鐘祭(おおがねまつり)がありました。
「60年に一度なんて、次のお祭りはもう見られないんだから絶対に見たい!!」と思っていたのですが、そんな時に限って用事ができるものです。
次回の洪鐘祭りは208X年にゃ!!
残念ながらお祭りは見ることができなかったのですが、仏殿の前にお祭りで使われた洪鐘のレプリカが置かれていたので、思わず写真を撮ってしまいました。
舎利殿特別公開
舎利殿は円覚寺塔頭正続院(しょうぞくいん)の境内にあります。
入り口の拝観料(500円)とは別に正続院の入場料300円が必要です。
入場料を収めると、舎利殿のステッカーをいただきました。どこに貼ろうかな?
私は御朱印集めはしていないのですが、特別な舎利殿の御朱印もあるようです。
門の中にある御朱印所は、御朱印をいただく人でにぎわっていました。
舎利殿の前にある塀。舎利殿は山のふもとに建っているようです。
鎌倉で唯一の国宝建築物の舎利殿。
鎌倉幕府三代将軍・源実朝が宋の能仁寺から分骨した佛牙舎利(ぶつげしゃり/釈迦の歯)が祀られているといわれています。
日本で最古の唐様建築で、江戸時代末期の禅宗の特徴が色濃く残る建築物とのこと。
600年前の建築物が現存していることに圧倒されました。
こちらは舎利殿の横に建つ正法眼堂(しょうほうげんどう/禅堂)。
禅僧たちの厳しい修業が行われているのでしょうね。
開山堂では僧侶による講話がおこなわれていました。満席のようで、外で聞いている方々も。
時間があればお話を聞きたいところですが、建長寺にも回りたいので今回は通り過ぎることにしました。
散策
帰りがけに如意庵(にょいあん)の階段を上っていく人をたくさん見つけたので、私もつられて付いて行ってしまいました。
如意庵(にょいあん)も非公開の場所になっていて中には入れないですが、玄関に生け花と扇が飾られていました。
禅宗のお寺は簡素で質実剛健ながら、とても美意識が高いですね。
11月というのに日中の気温が25℃を上回り、歩いているだけで汗が流れます。そんななか、方丈の庭園にススキが生えているのを見つけました。早く涼しい秋が来てほしい…。
建長寺
次は建長寺の宝物風入展へ。
宝物風入展
▼玄関の写真です。宝物風入展には別途の拝観料はかかりませんでした。
玄関の内部。
中に入ると、内部で方丈・龍王殿(りゅうおうでん)と大庫裏が廊下でつながっています。
まずは、方丈の方に進みました。下の写真は方丈から見た庭園の景色です。
方丈から見た唐門。
龍王殿の内部。こちらでは、定期的に座禅会が行われています。
大庫裏二階と廊下で繋がった得月楼で寺宝が公開されていました。残念ながら、写真撮影は禁止です。
美術館や博物館よりも近くで国宝や重要文化財を見ることができ、またガラス越しでもないので、素材の質感などもリアルに感じることができる貴重な体験です。
また、広間の一室では畳に座って建長寺住職のお話を聞くことができました。
江戸時代、荒れていた建長寺の再建に貢献したのが黄門様こと徳川光圀だったとのこと。水戸家が所有していた蘭渓道隆画像(国宝ではないもの)を建長寺に寄進したそうです。また、黄門様が資金を使いすぎて、その後水戸家の財政は傾いたとか。
歴史オンチの私も思わず聞き入ってしまう話術でした。
国宝を眺め、住職のお話を聞き、北鎌倉を散策した、楽しい文化の日となりました。