吉屋信子(よしやのぶこ)記念館

ミュージアム

「吉屋信子記念館」は作家・吉屋信子さんの旧邸宅が吉屋先生の死後、鎌倉市に寄贈されたものです。

普段は市民団体などの学習施設として利用されていますが、春と秋に無料で一般公開されます。

2023年、秋の一般公開日は10月2日、3日と11月1日~3日です。

私は、今回はじめてお邪魔いたしました。記念館のボランティアの方がいろいろと説明してくださり、歴史的な建物を見学するというよりも、知り合いのお家を訪問したようなとても温かい雰囲気でした。

女性が注文した家ということもあるのか、随所に工夫が凝らされていて、今でも古さを感じさせない作りです。私もこんな家に住みたーい!

でも、記念館を管轄している鎌倉市教育委員会の予算不足で、なかなか建物と庭のメンテナンスができないとボランティアさんが嘆いておられました。

よく見れば、門の歪みや、天井にしみ(雨漏りによるものらしい)など、所々に痛みが見られます。修理が不可能なほど劣化してしまうのは非常にもったいないので、どうにかメンテナンスの予算を振り分けてほしいものです。微々たる額ではありますが、帰りがけには募金をさせていただきました。

数寄屋造り

建物は近代数寄屋建築の第一人者・吉田 五十八(よしだ いそや)氏により設計されたもので、吉屋先生から「奈良の尼寺のような家」との依頼だったそうです。

数寄屋造り(すきやづくり)とは、日本の建築様式の一つである。数寄屋(茶室)風を取り入れた建築の様式とされる。

ウィキペディア(Wikipedia)

門と塀

駅から歩いていくと、由比ガ浜の素敵な住宅街の中に趣のある塀が見えてきました。

建築には全く詳しくないのでこれが数寄屋造りの様式なのかはわかりませんが、松の木と日本瓦が印象的な純和風の外観です。

とても素敵で、期待が高まります。

庭と母屋

門から母屋に続く小道。

庭から母屋を望む。右側手前は柏の木だそうです。

広いお庭の一角にある石灯籠。写真では見にくいのですが、奥に東屋があります。

室内

室内の平面図は、記念館で配布されている冊子より掲載させていただきました。

和室

庭が見渡せる日当たりの良い和室の縁側。ここで昼寝をしたら気持ちよさそうですね。

庭には柏や枝垂梅の木があります。

ダイニングとキッチン

応接室とダイニングの間にある仕切り。

ダイニングテーブルやその他の家具も、ほとんどが吉田五十八氏のデザインによるものだそうです。

ダイニングテーブルの奥は棚のように見えますが、扉を開けるとキッチンにつながっています。

来客時は引き戸を閉めてキッチンを隠すことができる、素晴らしいアイデアですね。

こちらがキッチンの様子。キッチンの奥にお手伝いさんの控室があるそうです。さすが…

書斎

数多くの作品を生み出した吉屋先生の書斎。机の上部にあたる天井はすりガラスになっていて、自然光が入る仕組みです。

向かって左手は一面が棚になっているのですが、扉に壁紙を張ることによって壁と一体感のある収納になっています。

右側の壁には照明が組み込まれています。書斎と寝室はすべて間接照明になっています。

仕事柄、家で過ごすことが多かった先生が落ち着ける空間となるように、いろいろな工夫がちりばめられているように感じました。

寝室のバスルームとウォークインクローゼット

バスルームは寝室と直結した設計になっています。

当時はまだウォークインクローゼットは珍しいものでしたが、ヨーロッパに留学経験がある吉田五十八氏ならでわの設計といえるかもしれません。

裏庭

広々した裏庭には、満開の芙蓉が咲いていました。

裏庭から母屋を望む写真。10月初めのまだ暑い日でしたが、雲はもう秋ですね。

書斎の障子を開けると見えるように藤棚が作られています。

まとめ

お庭には四季折々の花が咲くそうで、春の一般公開のころは枝垂れ梅が花をつけるということでした。梅の花を見に春の一般公開にも伺いたいと思っています。

また、鎌倉には他にも多くの作家や芸術家、財界人などが住んでいた住居の跡が記念館や美術館になっています。

普段、入ることができない建物でも一般公開日がある場合があるので、都合が合えば是非出掛けてみて下さい。

吉屋信子記念館Data

住所鎌倉市長谷1-3-6
行き方JR鎌倉駅東口1番・5番・6番バス乗り場から長谷観音方面行「長谷東町」下車徒歩3分
江ノ電「由比ガ浜」下車 徒歩7分
問合せ先鎌倉生涯学習センター
電話0467ー25-2030

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